輝きを身に纏って。

自己満ジャニオタDDブログ Twitter→@Arashige_8

知らなくていいコト。

今期のドラマは何本かハマったドラマがあった。そのうちの1つ「知らなくていいコト」について私なりの感想を記録したいと思う。






あらすじはまあ長々となるしストーリーも紆余曲折あったので省き、最終話を見終わった感想を少し。ケイトと尾高さんと(我らが)野中くんに焦点を当てていきたい。


※以下ネタバレを含む





1話と最終話で1番変わった人物は重岡大毅演じる野中だったと思う。ケイトが乃十阿の娘だと知ってから婚約破棄をし、ケイトが殺人犯の娘だということに執着するかのように豹変していった。彼は結局愛が欲しかった、愛されたかった、同情されたかった。と私は考える。ケイトが殺人犯の娘だと他の週刊誌に売って記事が出れば、ケイトが激しく叩かれると思った。そしてそんな人と付き合ってたなんて可哀想だと同情されたかった。尾高に自分がケイトと別れた理由と同じ理由で別れたのではないか?と詰め寄ったのも尾高からの同情が欲しかった、分かり合えると思っていた。一度は他の女の子と付き合ったものの愛されなかった。愛が欲しかったからこそ最終話では謎の歌を歌いながら亀を見つめていたのだろう(ストーリー中盤の野中はクズだと思っていたが終盤につれてなんだか心休まるシーンになっていた、もはやぶっ飛びすぎて面白かった(笑))


野中はケイトの父親が乃十阿だと、殺人犯だと知らなくてよかったのだ。彼は知らなくていいコトを知ってしまった。

最後に小説家として成功していた描写には野中が救われた気がしてよかったかな(笑)






柄本佑演じる尾高さんにはキュンキュンさせられた。妻子を持ちながらケイトに想いを寄せているという不倫とも取れる描写はこの社会の中で斬新だった。でもフィクションだからこそ、ドラマの中だからこそ普段不倫を叩く人も楽しめたと思う。私も尾高さんにキュンキュン♡させられていた内の1人だ。

尾高さんが離婚までしてケイトと結婚する決意を固めていたこと、それほどまでに愛していることは素敵だった。お互いがお互いを思う気持ちが対等だった。でも、ケイトは乃十阿の事件の真相を知ったからこそ子供を持つ尾高さんのプロポーズを断った。そんな尾高さんは奥さんに逃げられ、子供だけを置いていかれるという窮地に陥った。ここまでケイトの味方でカッコいいだけの尾高さんが急にどん底に落とされる描写はリアリティがあった。そのままケイトとくっつく展開にも出来たのに、このドラマは恋愛ドラマじゃないからそうならなかった、リアルを描いた。どんな段階を経たとしてでもケイトを手に入れようとした尾高さんへの天罰だ、とも捉えられるかもしれない。


尾高さんは自分がケイトに対してとんでもなく大きな愛情を抱いていることを知らなくてよかったのだ。彼は知らなくていいコトを知ってしまった。気づいてしまった。見て見ぬ振りは出来なかった。






吉高由里子演じるケイトが腹をくくって書いた乃十阿の事件についての記事が上からの圧力によって世に出回らないことになったのが衝撃だった。これまで様々なドラマを見てきた私が考えていたストーリーの展開としては『記事はそのまま出され、その記事によってケイトの環境がどう変わるかまで描かれて最終回を終える』といったものだったからだ。記事は出なかったがケイトは自分の書いた原稿を乃十阿の元へ持っていく。乃十阿は読まずに側の火で燃やすのではないかと私は思っていた、でも、全て読みきった。その記事には乃十阿がケイトを自分の娘と認めないのは何故かと言うことに対してケイト自身の見解が綴られていた。


「もし、乃十阿がケイトのことを娘だと言えば、ケイトは殺人犯の娘になる。だから娘と認めないという形でケイトのことを守っているのではないか」


ケイトが知らなくてよかったコトは乃十阿が父親だというコトだと私は思っていた。乃十阿が父親だと知ってから、ケイトの周りが急に変化を遂げたからだ。でも実際、ケイトが知らなくてよかったコトは「乃十阿がケイトのことを娘としてちゃんと想っている」というコトなのかもしれない。乃十阿はケイトのことを娘だと想っているからこそ  “ケイトが書いた”  記事を読んだ。ケイトは乃十阿から言葉にして娘だと認めていると言われなかったからこそ少し踏み込んだ記事を書くことを決心できたのかもしれない。


乃十阿事件の真相は世間には公開されなかった。でも世間は真相を知らなくてよかったのかもしれない。

だからこそケイトはデスクに昇進出来たのかもしれないから。

世間にとっては乃十阿事件の真相が知らなくていいコトだった。

そしてケイトにとっても乃十阿事件の真相は知られなくていいコトだった。多分、そんな世界だ。




知らなくていいコトをそれぞれ知った彼ら。

知らなくていいコトは知らなくていいコトなのだから知らない方がいいのかもしれない。


私の知らなくていいコトはなんだろう。今、思い当たらないということはまだ私は知らないんだろう。






知らなくていいコト。とても素敵で面白く人間味のあるドラマでした!楽しめました!

ワンクールお疲れ様でした!!!

素敵なドラマを知れてよかったです。